「キーケース」
図案は空想上ならではの糸の組み合わせになりました。最後にキーケースの金具とスナップを取り付けて完成です。
完成してみると、足踏みミシンのロゴと刺繍が不思議と調和。
「NEWBROTHER」と記されたこの家庭用ミシンは、ブラザーミシン博物館にも記録が残っていない謎のモデルなのだそうです。
製造元は THE MERRY BROTHER MFG.CO と NIPPON SANGYOKIJAI CO. LTD.。
今から80年前、兄弟ブランドの合同で生まれた一台と考えられています。出生がわからないとはいえ、母から娘へと長い年月を重ねて大切に使われてきたミシンです。
ある晴れた日にシールが貼られ、手放すその日にお向かいの高齢のご夫婦から譲りうけたこのミシンは、今も現役です。
糸がつながるように、人と物の縁もつながっていくのだと感じています。